NO.138　 経験豊富な人々が陥る認知の落とし穴

ベテランバイアス

技術士試験まで残り約2か月を切りました。

これからは新しいことはせず、これまでの知識を徹底的にブラッシュアップすることが大切です。

本日は、ベテランバイアスについてお伝えします。

ベテランバイアス（Veteran Bias）とは、経験豊富な人々が新しい情報やアイデアに対して持つ認知的なバイアス（偏り）のことを指します。ベテランは過去の経験や成功体験に基づいて自身の知識や手法を確立しており、それによって安定感や自信を持って行動する傾向があります。

ベテランバイアスは、経験豊富な人々が新たなアイデアや方法に対して、過去の経験に基づいた予測や評価をする傾向があることを意味します。彼らは自身の経験が成功したことを証明しているため、新しいアプローチや意見に対しては懐疑的であり、変化を意図的に避ける傾向があります。

ベテランバイアスは、意思決定や問題解決の過程において重要な影響を持つことがあります。経験に裏付けられた手法や知識を持つことは一定の利点がありますが、過去の成功体験に固執しすぎることで新たな可能性やアイデアを見落とす可能性があります。いわゆるKDD（勘と経験と度胸）で行動判断をすることです。

ベテランバイアスに対処するためには、オープンマインドな姿勢を持つことが重要です。経験に基づく知識や手法は大切ですが、新しい情報やアイデアにも耳を傾ける必要があります。過去の成功に頼りすぎず、常に変化や革新を受け入れる意識を持つことが必要です。

また、年齢、性別など問わず多様な意見や経験を尊重し、他社を否定せず、他者の視点やアイデアに対しても開かれた態度を持つことも重要です。他の人々の経験や知識から学び、自身の判断や行動に反映させることで、ベテランバイアスの影響を軽減することができます。

ベテランバイアスは、経験が豊富な人々に共通する認知的なバイアスですが、それを認識し、自己啓発や学習の機会を活用することで、より柔軟で革新的な思考を養うことができます。

常に成長と進化を意識し、新たな知識やスキルを取り入れることで、ベテランバイアスの影響を緩和することができます。

また、他者とのコラボレーションやチームワークを積極的に行うことも効果的です。異なるバックグラウンドや経験を持つ人々との協力により、新たなアイデアや視点を得ることができます。集合知を活用し、グループの知識や洞察を結集させることで、ベテランバイアスを補完し、より多角的な判断や意思決定を行うことができます。

最後に、自己振り返りと反省を積極的に行うことも重要です。自身の過去の経験や行動を客観的に見つめ直し、偏りや独自の視点に気づくことができます。自己成長のために、自己批判的な思考を持ち、自身の強みや弱みを正直に評価することが必要です。

ベテランバイアスは経験の豊富さゆえに生じるバイアスですが、それに振り回されることなく、柔軟な思考と学習意欲を持ち続けることが求められます。自身の経験を尊重しつつも、常に進化と成長を追求する姿勢を持つことで、より良い結果を生み出すことができるでしょう。

ベテランバイアスへの理解と対処は、個人の成長だけでなく、組織や社会全体の進歩にも貢献します。多様な視点と経験の結集により、より革新的で持続可能な組織や社会を築くことができます。

ベテランバイアスを認識して、自己啓発と学習を継続し、新たな可能性を探求していきましょう。

最後に、合格に向けて自己信頼を持ち、周囲のサポートを受けながら、着実に目標に向かって進んでいくことが大切です。限られた時間の中で努力を怠らず、自分自身を信じて合格への道を歩み続けましょう。

以上が、ベテランバイアスについての説明でした。このバイアスに注意しながら、技術士試験の勉強に取り組んでいくと良いでしょう。これまでの知識をしっかりと復習し、継続的な学習と実践を重ねることで、合格への自信を高めることができます。

また、勉強だけでなく、適切な休息やストレス管理も大切です。適度なリラックスや運動、趣味の時間を取り入れながら、心と体のバランスを保つことが成功への秘訣です。

最後に、周囲のサポートを頼りにすることもおすすめです。仲間や家族、指導者や先輩たちの励ましやアドバイスを受けながら、一緒に目標に向かって頑張りましょう。

技術士試験は大きな挑戦ですが、努力と準備を積み重ねることで必ず乗り越えることができます。自分の能力と可能性を信じ、最後まで諦めずに頑張りましょう。応援しています！