NO.128 　リスク対応策

リスク対応策

技術士試験まで残り約2か月です。計画通りに進んでなく、厳しい気持ちに直面している方々にとって、これまでの知識を徹底的にブラッシュアップすることが大切です。

本日は、リスク対応ついてお伝えします。

リスク対応方針は、組織やプロジェクトが特定されたリスクに対して採ることができる異なるアプローチや戦略を指します。主なリスク対応方針には、保有、低減、回避、共有の4つがあります。

保有（Acceptance）: 保有は、リスクを認識し、そのまま受け入れることを意味します。保有は、リスクの発生が組織やプロジェクトの目標や利益に対して許容可能であると判断された場合に選択されます。保有の戦略では、リスクに備えた予備計画や緊急対応策を用意することが重要です。

低減（Mitigation）: 低減は、リスクの発生確率や影響度を減らすための対策を講じることです。リスク低減の戦略では、予防措置やリスク軽減策を実施してリスクの発生を最小限に抑えることを目指します。具体的な対策としては、セキュリティ強化、品質管理の改善、トレーニングや教育の実施などが挙げられます。

回避（Avoidance）: 回避は、リスクを回避するためにプロジェクトや活動自体を変更または中止することを意味します。リスク回避の戦略では、リスクが過大な影響をもたらす可能性がある場合に、より安全な代替手段を選択することが求められます。例えば、特定の市場に参入するリスクが高いと判断された場合には、別の市場への進出を検討するなどがあります。

共有（Sharing）: 共有は、リスクを他の関係者や第三者と共有することを意味します。リスク共有の戦略では、保険契約や契約上のリスク分担など、リスクを他の組織や専門家と共有することでリスクの負担を分散します。リスク共有は、リスクに対する財政的なリソースや専門知識が限られている場合に有効な戦略となります。

組織やプロジェクトは、異なるリスクに対して複数の対応方針を組み合わせて使用することもあります。また、リスクの特性や状況に応じて対応方針を適切に選択することが重要です。

例えば、重大なリスクが特定された場合には、回避や低減といった積極的な対応策を優先的に検討することがあります。一方で、軽微なリスクや予測困難なリスクに対しては、保有や共有の方針が採られることがあります。

リスク対応方針の選択は、リスクアセスメントやリスク評価の結果、組織の目標や戦略、利益に基づいて行われるべきです。対応方針の決定には、リスクの評価、利益とコストのバランス、リソースの可用性、関係者の意見などが考慮されます。

重要な点は、リスク対応方針は単一の決定ではなく、状況の変化や新たな情報に基づいて定期的に見直されるべきであることです。リスクの進化や新たなリスクの発生に対応するため、柔軟性と適応性が求められます。

総括すると、リスク対応方針は組織やプロジェクトがリスクに対して採ることができるアプローチや戦略を指し、保有、低減、回避、共有の4つが一般的に用いられます。適切な対応方針の選択は、リスクの評価や組織の目標に基づいて行われ、柔軟性と定期的な見直しを持つことが重要です。

最後に、合格に向けて自己信頼を持ち、周囲のサポートを受けながら、着実に目標に向かって進んでいくことが大切です。限られた時間の中で努力を怠らず、自分自身を信じて合格への道を歩み続けましょう。